○か☓か?「コロナウィルス感染防止にマスクは効果が無い」

タイトルを見てギョッとした方もいるかもしれませんが、時事問題ではありませんw記号問題で選択肢を選ぶ(切る)時の考え方の話です。

「国語の読解問題で記号問題を選ぶのに迷ってしまう」あなた、塾や学校で先生から「本文をよく見て考えなさい」と言われていませんか?

確かに本文と見比べて選ぶのは大事なのですが、時間制限がありプレッシャーも大きい試験現場では本文と見比べても「選べない!」場合がどうしても出てきますよね…

そこで東大卒講師歴20年の図解講師「そうちゃ」が迷って決めきれない時の最後の選び方をお伝えします。この記事を最後まで読めば、迷う時間が減り自信をもって選ぶことができるようになるでしょう!

迷わない人はいない

摸試や入試は普段感じないようなプレッシャーに襲われます。

ですから、普段自宅や塾で問題を解く時は思い切りよく記号を選べる人でも、入試の時は迷ってなかなか正解を選べないのはよくあります。

また、テスト問題を人間が作っている以上完璧ではありません。正誤があやふやだったり、さらには問題自体に間違いがあったりします。

ですから、実力不足の受験生だけでなく、トップで合格する自信満々の受験生でも迷う可能性はあります(問題がおかしいんだから…)。

つまり、テストを受ける時は誰でも必ず迷います

しかし、迷っても現場で○・☓をつけなければいけません。

したがって、受験生は「テストで分からない時はどうするか・迷ったらどうするか」も学ぶ必要があります。

よく「分からない問題・迷った問題は後回しにする」という対応を聞きます。これは良い対応だと思いますが、ここでは最終的に回答するときにどうすればよいか考えます。

また「問題をもっとよく読む」という対応もあるでしょうが、ここでは問題は十分に読んだのだが、それでも判断が(時間内には)つかないときを考えます。

ここでタイトルに戻ります。あるテストの記号選択問題で、「コロナ感染防止にマスクは効果がない」という選択肢が○かXか分からない時はどう考えればよいでしょうか?

選択肢の判断基準

当サイトでは、記号問題は「消去法」で解くように指導しています。(参考記事「二段階の消去法」)

消去法はダメな選択肢にX(バツ)を付けて消していき、生き残った選択肢を正解とする方法です。

ですから、ここでは「コロナ感染防止にマスクは効果がない」という選択肢がXかどうかを判断する基準を考えます。

ところで、判断基準には大切なことが2つあります。

選択肢の正誤判断

➀他の選択肢との比較で相対的に判断

➁選択肢そのものの表現に注目

それぞれ説明します

判断は相対的に行う

第一に、選択肢がXかどうかは他の選択肢との比較で決まります。

実際、消去法で選択肢を消していく場合は、残り2つに絞った後「どちらを消すか(Xか)」を迷うことが多いでしょう。

タイトルの例では「コロナ感染防止にマスクは効果がない」という選択肢と他の選択肢のどちらがXかを考えることになります。

選択肢自体の表現

選択肢自体の表現に注目する

問題文本文と関係なく、選択肢の表現それ自体に「○のつけやすさ」があります。

例えば、タイトルの「コロナ感染防止にマスクは効果がない」という表現に諸手を挙げて賛成する(○をつける)人は少ないのではないでしょうか。

確かに発言者が医師だと聞けば「じゃあ、そうなのかなぁ」と思うかもしれませんが、多くの人は心のどこかに「?」が残ります。

一方「コロナ感染防止にマスクは余り効果がない」とか「コロナ感染防止にマスクは期待されるほどの効果がない」という表現だったら、納得する(○をつける)人が増えるのではないでしょうか

さらに「コロナ感染防止にマスクは完璧な効果があるわけではない」ならば大部分の人は異論を唱えない(○をつける)でしょう。

穴が広がっていく

ここまで出てきた表現をもう一度並べてみます。

「コロナ感染防止にマスクは効果がない」
「コロナ感染防止にマスクは余り効果がない」
「コロナ感染防止にマスクは期待されるほどの効果がない」
「コロナ感染防止にマスクは完璧な効果があるわけではない」

上から下にいくにつれて「○」をつけるのが簡単になっていくのを感じますね。

私の授業では、これを「穴の大きさが広がっていく」と呼んでいます。

穴の空いた板を立て、ボールを投げて穴を通すとポイントになるゲームを想像してもらうとわかりやすいと思います。

選択肢の穴の大きさ

左は穴が小さくて○をつけづらい選択肢

表現による「穴」の大小をザッと挙げてみます。

「穴」が小さい(○をつけづらい)表現の例

「絶対~」「必ず~」「誰でも~」「全員~」「~可能性はない」「~ありえない」

「穴」が大きい(○をつけやすい)表現の例

「時には」「~な場合もある」「~こともある」「~人もいる」「~とまでは言えない」「~と言えなくもない」「~ありうる」「~可能性がある」

「ない」ことの証明は難しい

「絶対~」「必ず~」などの穴が小さい(○をつけづらい)表現は可能性を減少させるので証明が難しくなります。

証明が一番難しいのは「~可能性は無い」「~ありえない」などの「無い」場合で、これは「悪魔の証明(の一種)」と言われています。

悪魔の証明(Wikipedia)

ここまで読んだ人は「迷ったときの判断基準」が分かったのではないでしょうか?

結論

記号問題で選択に迷ったら、残った選択肢の中で「穴」が一番小さい選択肢だけに絞って判断をします。

例えばアイウエ4つの選択肢から選ぶ問題で、消去法の「一次消去」で次の2つの選択肢が残っている場合

ア「コロナ感染防止にマスクは全く効果がない」
ウ「コロナ感染防止にマスクは期待されるほどの効果がない」

より穴が小さいのはアの方なのでアの正誤だけを判断します(ウは存在を忘れて一切検討しません)。

本文に「全く効果がない」「全然…無い」「ゼロ」等の表現がないか調べて、そういう表現があればアを正解にして、なければウを正解にします。

検討する対象が半分になり判断もしやすいので、迷う時間は減り自信をもって選ぶことができるでしょう!

問題演習で実践!

爽茶そうちゃ
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