植物の分類が覚えられない!という中学受験生の方へ。確かに植物は無数にあるので憶えるのは大変です。
しかし「全部」を「一度」に覚えようとしなければ、なんとかなると思いませんか?
この記事では東大卒講師歴20年の図解講師「そうちゃ」が植物の分類が覚えやすくなるように、最初に分類の基準を説明します。
さらに!暗記が苦手な人が少しづつ憶えていけるようにレベル分けしたプリントを用意しました。
記事を読んでプリントを覚えれば、摸試や入試で「ひどい点数」は取らなくなるでしょう!
目次(クリックでジャンプ)
植物の分類
葉緑体を持ち光合成をする生物「植物」は海で生まれた後、湿った陸地、乾いた陸地と活動範囲を広げるために進化してきました。
被子植物への進化
「藻類(そうるい:水の中で生き全身から水を吸収して胞子で子孫を増やす)」
↓
「コケ植物(湿った陸上で地面に張り付いて生きる)」
↓
「シダ植物(根茎葉の区別を持ち、少し乾いた日陰で生きる)」
↓
「裸子植物(花びらの無い花を咲かせて種子で増え、乾いた場所でも生きる)」
↓
「被子植物(花びらのある花を咲かせ果実を実らせる)」
被子植物の進化
さらに被子植物の中でも
「単子葉類(最初に出る子葉が一枚)」
↓
「双子葉類(離弁花類)(子葉が二枚で根茎葉が複雑なつくりをしている)」
↓
「双子葉類(合弁花類)(花びらがラッパのようにくっついている)」
と進化をしてきました。
この「進化」の順番通りに植物を分類して憶えるのが良いでしょう。
(参考)植物の分類プリント
分類プリントを用意しました。ダウンロードして印刷/利用していただけます(ただ、このプリント自体をテスト用に暗記しようとは思わないで下さいね…)
著作権は放棄しておりません。無断引用転載はご遠慮下さい。
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レベル別の植物分類の学習
記憶は分けて行う
最初に書いたように、「植物の分類」のような大規模な知識体系を記憶する時は一気に全部を暗記するのではなく何回かに分けて定着させながら記憶していきます。
この分け方がポイントで、素朴な英単語帳のように羅列された知識を記憶する場合は、「前から順に」分けた区切りで記憶していけば良いのですが、「植物の分類」のように体系化された知識の場合は「粗い分類から細かい分類へ」記憶していくと定着効率が激烈に上がります。
雪の結晶が小さな点から複雑で美しい形に成長していくように、粗い分類(と例)の記憶を核して細かい分類の知識が定着していくからです
この学習方法の欠点は、「粗い分類」から「細かい分類」まで自分にあったレベル別で知識が選抜された記憶素材が必要になることです(自作には大変な手間がかかります…)
ここでは私が10年以上かけて作った例を示します。
植物分類のレベル
植物の分類を暗記する場合は(3~4)+1レベルで行うのが良いでしょう
レベル0:体系そのもの
まず「緑藻植物から合弁花」までの植物の分類体系(項目)そのものを特徴と一緒に記憶定着させます
これが後の記憶の核になるので完璧に定着させて下さい。
レベル1:代表例
次に、分類体系の項目ごとに「代表例になる植物」を憶えます。なじみのある植物やテストでよく問われる(憶えるとオトクな)植物を選ぶのがポイントです。
レベル2~3:代表例の仲間
さらに例を増やしたり、項目を増やして(雄花/雌花)知識に厚みをつけます。ここを2レベルくらいに分けても良いでしょう
レベル99:全知識体系
最後に可能な限り多くの知識を詰め込んだ素材を用意して辞書的に使ったり、記憶できればラッキー程度の気持ちで眺めます(上にあるプリントがコレに相当します)
レベル別プリント
以上の学習法のためのレベル別プリントを作りました♪
苦手な人はレベル0から順にレベルを上げ、得意な人(核の知識が定着している人)はいきなりレベル2に挑戦しても良いでしょう。
著作権は放棄しておりません。無断引用転載はご遠慮下さい。
異分類同士の関係
植物に関しては、上で見た進化に基づく分類以外にも様々な分類があり、進化に基づく分類とどのような関係にあるのかが問題になる
有/無胚乳と単/双子葉
前提知識
種子植物は種子の中に胚乳を持つようになった。
胚乳~発芽直後の成長に使う栄養を蓄える場所(例えば、人間が「米」として食べさせてもらっているのはイネの胚乳)
やがて、裸子植物が被子植物に進化した後、胚乳が退化して子葉に栄養を蓄える植物が現れた。
つまり無胚乳の方が有胚乳よりも「新しい」形ということになる。この「新しい」「古い」の感覚が大切
原則
単子葉類と双子葉類では双子葉類の方が「新しい」形なので、「新しい」同士、無胚乳種子と双子葉類が「相性が良い」と感じませんか?
実際に、単子葉類のほとんどが有胚乳種子で、双子葉類の多くが無胚乳種子です。
したがって、原則として
単子葉類→有胚乳種子
双子葉類→無胚乳種子
と覚えておき、分からない問題が出たら、この原則に基づいて答えを出しておけば良い
*覚え方のコツ
ちなみに、こういうキレイな対比になっている場合は片方だけしか覚えないようにする。この場合「単子葉→有胚乳」だけを瞬間的に思い出せるようにしておいて「双子葉」と聞かれた場合は「単子葉→有胚乳だから双子葉は反対の無胚乳だな」と0.5秒考えて答えればよい♪
例外として「単子葉類なのに無胚乳種子のもの」「双子葉類なのに有胚乳種子のもの」(これらがクロス分類)を、自分の能力や余裕の範囲で覚えれば良いことになる
クロス分類
単子葉類なのに無胚乳種子のもの(↘)…ラン(蘭)だけ覚えればOK
双子葉類なのに有胚乳種子のもの(↗)…カキ(柿),ホウレンソウ,オシロイバナ(白粉花),トマト,ソバ(ソバは双子葉植物なんですね)
裸子/被子植物と針/広葉樹と常緑/落葉樹
前提知識
裸子/被子植物
裸子植物~胚珠(受精後種子になる)がむき出しの「古い」型の種子植物
被子植物~胚珠が子房(受精後果実になる)に覆われている「新しい」型の種子植物
針/広葉樹
針葉樹~裸子植物が(針のような葉を持つ)樹木になったもの
広葉樹~被子植物が(広がった葉を持つ)樹木に 〃
つまり裸子植物=針葉樹なので、例えばイチョウは針のような葉ではないが胚珠がむき出しの「裸子植物」なので「針葉樹」に分類される
常緑/落葉樹
常緑樹~一年中葉が茂っている「古い」型の樹木
落葉樹~冬を乗り切るために葉を落とすようになった「新しい」型の樹木
原則
型の「古い」「新しい」同士を結びつければ、そのまま原則的な関係になります。
裸子植物=針葉樹→常緑樹(例:マツ(松))
種子植物=広葉樹→落葉樹(例:サクラ(桜))
クロス分類
はじめの結びつきの
裸子植物=針葉樹
種子植物=広葉樹
は例外がないので、この後の例外がクロスになる。
裸子植物=針葉樹なのに落葉するもの(↘)…イチョウ(銀杏),カラマツ(唐松/落葉松),メタセコイア(=アケボノスギ(曙杉))
被子植物=広葉樹なのに常緑のもの(↗)…シイ(椎),カシ(樫),ツバキ(椿)
雄花/雌花
前提知識
(2022-11-15作成中)
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参考サイト
「三河の植物観察」