「作文が書けない…」とお悩みの親子の皆さんへ。それはあなたのせいではありませんよ。学校でも作文の書き方をキチンと教えてくれないのですから。この記事は、東大卒講師歴20年の「そうちゃ」がまず低学年向けに「東洋経済ONLINE」の記事を紹介し、続いて高学年と中学受験生に向けた作文の書き方を提案します。記事を読んだ後は、作文の「型」が分かっていることでしょう。
目次(クリックでジャンプ)
記事のまとめ
「東洋経済ONLINE」に掲載された朝日新聞メディアプロダクション校閲事業部長の前田 安正氏の寄稿をまとめます。対象年齢5~8才ですが、参考になります。
- 観察する
- 表現(1)文の骨格を書く
- 表現(2)肉付けをする
ステップ1:観察させる
文章を書くには、まず「観察」が必要で、観察するには「意識」して見ることが必要です。
意識させるための質問が「みて みて み~て。なに なに な~に?」という魔法の言葉です。
ステップ2:文の骨格を書く
観察を元に「表現」させますが、その型として4W1D「WHEN(いつ)WHERE(どこで) WHO(だれが) WHAT(なにを) DO/DID(どうした)」(4W1D)を与えます。
「いつだろ どこだろ だれがだろ なにを どうしてどうなった?」という魔法の言葉で与えるようです。
これで文章の「骨格」が書き上がります。
ステップ3:肉付けをする
さらに、文章の骨格に理由や様子・結果などの「肉付け」をしていきます。
これらを引き出すための筆者の三番目の魔法の言葉が「なんで なんで どうやって?」です
書籍があります
記事で紹介している安正氏氏の著作はこちら
この後は、管理人「そうちゃ」が読解技法に対応した作文の技法をお伝えします。
「そうちゃ式」作文の構成

お子さんが小学校の中学年以上、または中学受験生の方もいらっしゃると思います。そういう方への追加アドバイスをしてみましょう。
当サイトでは説明文や物語文の読解技法を解説していますが、読み取るべきポイントが作文で書くべきポイントにもなります。
説明的文章への感想文
説明文では
➀問題提起(Q)とそれに対する筆者の主張(A)の対応(Q→A)
➁普通の意見・常識(B)と筆者の主張(A)との対比(A←→B)
➂筆者の意見の中の対比(a←→b)
を読み取ります。
意見の対比を入れる
まず、説明文ではテーマ・問題提起(Q)に対する普通の意見・常識(B)と筆者の意見(A)の対比を読み取りますが(詳しくは「説明文の読解公式」を見て下さい)、作文を書くときもこの方を利用します。
感想文の場合は対比に時間軸(本を読む前→読んだ後)を加えて、こんな感じにすると良いでしょう。
「この本を読む前は~(勉強は人に教わるもの)~と思っていました。しかしこの本(の……とう部分)(の……という著者の意見)を読んで、~(勉強は自分でするもの)~(かもしれない)と思うようになりました。」
具体例を入れる
また、説明文の読解では分量的に多数を占める具体例から、筆者の主張である抽象部分を読み取ることが求められますが、文章を書く時は、この反対に具体例を盛り込むことで独自性を出すとともに字数も増やせます。先程の例に具体例を盛り込んでみます。
「この本を読む前は~~(勉強は学校で先生から教わるもの)~~と思っていました。例えば~(何か分からない事があったら先生や親に質問していました)~でした。しかしこの本(の……とう部分)(の……という著者の意見)を読んで、~~(勉強は自分でする方が身につく)~~(かもしれない)と思うようになりました。次からは…(分からないことがあったらまず自分で調べてみよう)…と思います。」
物語的文章への感想文
物語文で読み取ることは
①物語の設定
②登場人物の感情の変化
③登場人物間の関係の変化
の3つです。これらが感想文で書くべき事柄にもなります。
設定への感想
物語文の読み取りでは、冒頭から前半で物語の設定を読み取りますが、感想文を書く時もはじめに書くと読みやすいですね。そこに「普通は~だが、この本では~~」という対比を入れると無理なく字数も増やせます。
「普通は~(犬は人間に飼われている)~なのに、この作品では…(犬が言葉を話して人間と対等に振る舞っている)…というところに驚きました/楽しめました/気に入りました。」
感情変化への感想
感情の変化は「変化前、変化の原因、変化後」を書くと読みやすくなります。
「始め~~だった○(人物名)が……によって、~~したところに感動しました。」
それに「普通←→登場人物」の対比を入れると字数も増やせます。
「始め~~だった○(人物名)が……によって、~~しています。普通は(私だったら)……するはずなのに、~~したところに感動しました/驚きました/気に入りました。」
関係変化への感想
同様に「変化前、変化の原因、変化後」の型で書きます。
「始め~~だった○(人物名)と●(人物)が……によって、~~になったところに感動しました/驚きました/気に入りました。」
自分の経験を加えて独自性と字数を増やします。
「始め~~だった○(人物名)と●(人物)が……によって、~~になったところに感動しました/驚きました/気に入りました。私も以前~~だった時に…で~~になったことを思い出しました。」
おわりに
