「中和の意味がよく分からない「中和のグラフ問題が解けない」とお悩みの中学受験生の方へ
中和の問題には「知識」と「グラフの読み取りと計算」の2つがあって「知識」の方は憶えれば解けますが、「計算」の方は中学受験の理科の科学分野の中では一番難しい問題の一つです。
しかし、「グラフ読み取り・計算」問題は大きく分けて2つの問題しかありません。6年の夏休みまでにたった2つの問題が解けるようになれば良いのです。そう考えると少しヤル気が出ませんか?
やる気が出たあなたに向けて、この記事では中和の意味からグラフ問題の解き方まで、東大卒講師歴20年の図解講師「そうちゃ」が分かりやすく説明します。
記事を読みながら例題を解けば、中和の問題が好き/得意になっているでしょう♪
目次(クリックでジャンプ)
酸性/中性/アルカリ性
中和の前に「酸性/中性/アルカリ性」を復習します。「大丈夫!」という方はジャンプして下さい
それぞれの性質
水溶液を酸性とアルカリ性に分類する。
酸性
例
塩酸(塩化水素水溶液)、硫酸(硫化水素水溶液)、炭酸水(二酸化炭素水溶液)
アルカリ性
例
水酸化ナトリウム、アンモニア水、石灰水(水酸化カルシウム)
中性
酸性とアルカリ性のちょうど中間の性質を「中性」と呼ぶ
例
食塩水、砂糖水、アルコール
小まとめと確認テスト
試薬による識別
酸性中性アルカリ性は見た目で見分けが付かないので、薬(試薬)を入れたときの色で見分ける
リトマス紙
BTB液
フェノールフタレイン液
紫キャベツ液
小まとめと確認テスト
中和の前提になる知識は以上です。次は中和の知識です。
中和の基本知識
まず中和に関する知識を整理します。まずこれらを完璧にして下さい。
中和の意味
酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液を混ぜると、お互いの性質を打ち消し合って、全体としては中性に近づく。これを中和という。
中和が起こると、別の物質(塩「えん」と呼ぶ)と水が出来る。水はもちろん、塩「えん」も中性である。
つまり
酸性の水溶液+アルカリ性の水溶液→中性の「塩(えん)」+水
ということ
中和の例
酸性の水溶液+アルカリ性の水溶液→中性の「塩(えん)」+水
例1
塩酸(塩化水素)+水酸化ナトリウム→塩化ナトリウム+水
例2
炭酸水(二酸化炭素)+石灰水(水酸化カルシウム)→炭酸カルシウム+水
例3
硫酸+水酸化ナトリウム→硫酸ナトリウム+水
例4
硫酸+塩化バリウム→硫酸バリウム+水
実際の中和の様子
1つのビーカーを用いる
塩酸を入れたビーカーに水酸化ナトリウム水溶液を少しづつ入れていき、様子の変化を観察する
((図))
リトマス紙を入れて性質を調べる実験の例
複数のビーカーを用いる
同じ量の塩酸を入れたビーカーを幾つか用意して、それぞれに「ア」「イ」「ウ」…と名前をつける。
これらのビーカーに少しづつ量を変えた水酸化ナトリウムを入れて、それぞれの様子を観察します。
例えば「ア」には水酸化ナトリウム水溶液を0g(全く入れないということ)「イ」には10g「ウ」には20g…という具合
((図))
乾燥させて残る固体の重さを調べる実験の例