2018年10大ニュース(Yomiuri-Online)

2018年12月22日 05時00分

集計結果一覧(トップ10)

【1位】平昌五輪で日本は冬季最多13メダル。フィギュア・羽生結弦は連覇

  • フィギュアスケート男子フリーの演技を終え、歓声に応える羽生結弦選手(2月17日、韓国・江陵で)
    フィギュアスケート男子フリーの演技を終え、歓声に応える羽生結弦選手(2月17日、韓国・江陵で)

 2月9~25日に行われた第23回冬季五輪平昌(ピョンチャン)大会で、日本は金4、銀5、銅4の計13個のメダルを獲得、1998年長野大会の計10個を上回り、冬季で過去最多を記録した。幅広い層から、有効投票の8割近くとなる支持を集めた。

 フィギュアスケート男子では、羽生結弦(はにゅう・ゆづる)選手が右足の負傷を乗り越えて連覇を達成。出身地・仙台市で行われた凱旋(がいせん)パレードには、主催者発表で約10万8000人が殺到した。7月には、個人として最年少となる国民栄誉賞が授与された。

 女子スピードスケートでは、小平奈緒選手が500メートルで金、1000メートルで銀メダル。500メートルの試合後、友人で銀メダルとなった韓国の選手と健闘をたたえ合う姿が感動を呼んだ。女子団体追い抜きでは、高木菜那、美帆の姉妹選手らが金メダルを獲得した。姉の菜那選手はマススタートでも金メダルを獲得。妹の美帆選手は、1500メートルで銀、1000メートルは銅に輝いた。

 男女を通じて日本勢初めてのメダルとなる銅メダルを獲得したカーリング女子(LS北見)は、試合の合間に車座になって果物などを食べる「もぐもぐタイム」なども注目された。選手による北海道なまりの「そだねー」は、今年の新語・流行語年間大賞に選ばれた。

【2位】西日本豪雨、死者220人超

  • 行方不明者の捜索に向かう警察官や自衛隊員ら(7月9日、広島県熊野町で)
    行方不明者の捜索に向かう警察官や自衛隊員ら(7月9日、広島県熊野町で)

 7月5日から数日間、西日本の各地を記録的な豪雨が襲った。死者は220人を超え、その後も増えている。豪雨災害としては、平成最悪の人的被害となった。

 被害の特徴は、河川の氾濫や冠水、土砂崩れなどが広域で同時多発的に起きたことだ。総務省消防庁の集計では、住宅被害は全国で5万棟を超え、岡山、広島、愛媛の3県では計6000棟超が全壊した。

 避難指示・勧告の対象は最大860万人を超えたが、犠牲者の多くが自宅で被災し、避難所に足を運んだのは3万人に満たなかった。避難情報の発信や居住地区の危険度の把握など、課題が浮かび上がった。

 一方、全国からは多くのボランティアが集まり、支援の輪が広がった。全国社会福祉協議会によると、ピーク時には1日で計約1万8000人が被災地に入り、浸水家屋の片付けや土砂の除去などに取り組んだ。

【3位】日大アメフト部選手が危険タックル。スポーツ界で不祥事相次ぐ

  • 危険なタックルの問題について記者会見する日大アメフト部の前監督ら(5月23日、東京都千代田区で)
    危険なタックルの問題について記者会見する日大アメフト部の前監督ら(5月23日、東京都千代田区で)

 学生アメリカンフットボールの名門、日本大の選手が5月6日、定期戦で関西学院大の選手に危険なタックルをして負傷させた。

 後日、タックルした選手が、日大本部より先に記者会見し、当時の監督らの指示があったことを証言。関東学生連盟は当時の監督とコーチを除名処分とし、チームに対して今年度の公式試合出場停止処分を科した。

 アマチュアスポーツ界では、ほかにも不祥事が相次いで浮上した。

 3月、日本レスリング協会の強化本部長による女子選手へのパワーハラスメントが告発され、協会は当初否定していたが、後の調査でパワハラが認定された。

 日本ボクシング連盟では、会長の助成金流用指示や試合判定への不適切な介入が指摘され、会長が辞任。辞任後も連盟幹部にどう喝的な言動があったとして、今月に事実上の永久追放となる「除名」案が承認された。

【4位】テニス・大坂なおみが全米オープン優勝、四大大会で日本人初

 テニスの全米オープン女子シングルスで9月8日、大坂なおみ選手が優勝した。四大大会シングルスの優勝は、男女を通じて日本勢で初めて。

 決勝の対戦相手は、元世界ランク1位、憧れの存在だったセリーナ・ウィリアムズ選手(米国)。持ち前の強烈なサーブや安定したショットで主導権を握った。審判の判定などにブーイングが起こり、セリーナ選手が審判に暴言を吐くなど異様な雰囲気の中、大坂選手は集中力を切らさなかった。

 表彰式で、大坂選手が「こんな形で終わって、ごめんなさい」などと涙声で話すと、空気は一変して、新女王をたたえる温かい拍手が起こった。

 全米オープン制覇により、大坂選手は一時、世界ランキングで4位となり、現在のランキング制度下では、伊達公子、錦織圭の両選手が記録した日本選手の最高位に並んだ。

【5位】日産・ゴーン会長を逮捕

 東京地検特捜部は11月19日、役員報酬を有価証券報告書に過少に記載していたとして、日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者ら代表取締役2人を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで逮捕した。

 日産が捜査に協力する代わりに刑事処分を軽くする日本版「司法取引」(協議・合意制度)が適用された。ゴーン容疑者は日産と三菱自動車の会長職などを解任された。

 日産は、仏政府が筆頭株主を務める仏ルノーと、三菱自動車との3社連合を組むが、規模の小さいルノーが出資比率で優位に立ち、日産とルノーに摩擦が生じていた。フランスのマクロン大統領は11月30日、安倍首相と会談し、3社連合の現状維持を求めたが、首相は「政府が関与するものではない」とけん制した。

 東京地検特捜部は12月10日、両容疑者と日産を同法違反で起訴し、21日には、ゴーン被告を会社法違反(特別背任)容疑で再逮捕した。

【6位】北海道で震度7、道内全域で停電

  • 震度7の強い揺れで発生した大規模な土砂崩れ(9月6日、北海道厚真町で、本社チャーターヘリから)
    震度7の強い揺れで発生した大規模な土砂崩れ(9月6日、北海道厚真町で、本社チャーターヘリから)

 9月6日、北海道の胆振(いぶり)地方を震源とするマグニチュード(M)6・7の地震が発生。道内で観測史上初となる震度7を厚真(あつま)町で記録した。大規模な土砂崩れが起きた厚真町で36人が死亡するなど、死者41人、負傷者は750人に上った。地震により、苫東(とまとう)厚真火力発電所など道内の発電所が一時、全て停止。管内のほぼ全域で電力供給が止まる国内初の「ブラックアウト」が起きた。

【7位】ノーベル生理学・医学賞に本庶氏

 スウェーデンのカロリンスカ研究所は10月1日、2018年のノーベル生理学・医学賞を、免疫を抑える働きを持つ分子「PD―1」を発見した本庶佑(ほんじょ・たすく)・京都大特別教授ら2人に贈ると発表した。「がん免疫療法」に道を開き、「人類のがんとの闘いにおける記念碑」と高く評価された。本庶さんは12月10日の授賞式に、1968年の川端康成以来となる羽織はかま姿で出席し、笑顔を見せた。

【8位】オウム松本死刑囚ら元幹部の死刑執行

 法務省は7月6日、地下鉄サリンなど、一連のオウム真理教事件の首謀者として死刑が確定した、教祖の麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚ら教団元幹部の死刑囚7人の刑を執行した。26日にも、元幹部6人の刑が執行され、死者計29人、負傷者計6500人を超えたオウム事件で、死刑が確定した13人全員に対する刑の執行を終えた。松本元死刑囚は、最後まで真相を語らなかった。

【9位】大谷翔平、メジャー新人王に

  • 米大リーグオープン戦に登板した大谷翔平(3月16日)
    米大リーグオープン戦に登板した大谷翔平(3月16日)

 米大リーグの年間最優秀新人選手(新人王)が11月12日発表され、アメリカン・リーグではエンゼルスの大谷翔平選手が選ばれた。日本選手ではイチロー外野手(マリナーズ)以来、17年ぶり4人目。大谷選手は、投手で4勝2敗、打者では打率2割8分5厘、本塁打22本、10盗塁をマークし、「ベーブ・ルースの再来」と全米の話題をさらった。10月に右肘を手術し、来季は打者に専念する見通し。

【10位】大型台風襲来、関空が冠水し孤立

 台風21号が9月4日、四国、近畿を縦断し、近畿地方を中心に大きな被害をもたらした。関西空港は、高潮で浸水して停電が発生、全面閉鎖に陥った。強風でタンカーが空港と対岸を結ぶ連絡橋に衝突し、旅行客ら約8000人が孤立する未曽有の事態になった。旅客便が再開したのは、被害から3日後の7日で、閉鎖による経済損失額は、500億円に上るとする試算も示されている。

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