「説明文を読むときに線を引けって言われるけど、どこに引いたらいいかが分からない!」という方へ。
東大卒講師歴20年の図解講師「そうちゃ」が説明文が苦手なお子さんでも分かる「線を引く4つの場所」をお伝えします。
目次(クリックでジャンプ)
大事なところは
形式的に判断する(再)
こんにちは!図解講師の爽茶です
ー(^o^)/~~
家庭で国語力をあげようというシリーズの四回目です。
今回は第二回の話に戻って、結局、説明文を読む時にどこに線を引けば良いか、まとめてみます。
第二回で述べましたが、「国語ができるようになるには?」という質問に「大事なところに線を引け」と答えるのはNGですが「大事なところを読み取るのが説明文の読解」というのはその通りです。
ただ、大事なところ(作者が言いたいこと)かどうかは、内容とは関係なく判断できるようになっていないと、初めて読む文章・難しい文章には刃が立ちません。
つまり、大事かどうかは形式的に判断できないといけないのですね。
そこで、形式的な基準の①として、抽象具体の判断をして抽象的部分に線を引く、というのを前々回にお伝えしました。
(2)何を「読解」するの?
今回はその続きで、抽象具体以外の形式的に判断できる線を引く箇所の➁から④についてです。
❶段落内で一番抽象的な箇所
②○○語
③○○ワード
④○○であることの直接的表現
国語の成績が悪い!読解力が無い!という生徒さんでも引ける箇所ですので、明日から実践できると思います。
②接続語
まずは、コレですね。
接続語は内容と関係なく判断できるので、接続語に線を引くのは易しいですね!
ただ…その意味を正確に理解する必要があります。
◆接続語に線を引く意味
何故接続語に線をひくのでしょうか?
よくある誤解は「接続語は文の前後の関係を示すので接続語に注目すれば文の内容が分かりやすくなるから」というものです。
確かに、接続語本来の機能は前後の文の関係を示すことです。ですから例えば空欄に接続語を補充する場合は前後の関係を念頭において解きます。
しかし、読解時に線を引く理由は違います。
前々回に出した「クビモゲラ」の内容不明な文章ですら
「A例えばB」と接続語があれば、Aの方がBより抽象的なので大事なのはAだとハッキリ分かりました。
このように、接続語の多くは前後の文どちらが重要かを示してくれるので線を引くのです。
つまり、接続語それ自体が大事なのではなく、その前か後ろに重要な文がある、その印ということです
では線を引くべき接続語を見ていきましょう
◆線を引くべき接続語
◇「逆接」の接続語
「AだがB」「AしかしB」「AところがB」このような文章があったら、大事なのはAとBどちらでしょうか?
後ろのBですね。
逆接の接続詞には必ず線を引きましょう!「その後ろの文が大事」という印です。
こうすると、普段はリラックスして読み「しかし」が出てきたら集中して次を読むというリズムが出来るので、読解自体が楽になります
◇「言い換え・まとめ」の接続語
「A要するにB」「AつまりB」「AすなわちB」
このような文章があったら、大事なのはどちらでしょうか?
たいていBですね。
(具体的で)長く難しい説明のAを(抽象的に)短くまとめるのがBだからです。
逆接と同じで、このタイプの接続詞があったら気持ちを集中して後ろの文を読みます。
◇「例示」の接続語
「A例えばB」「A具体的にはB」の場合は、AB大事なのはどちらでしょうか
例示の接続詞は、前が抽象的な主張、後ろが具体的な例なので、何度かお話しした通り前にあるAが大事です。
逆接や言い換えの接続語を見たら気を引き締めて読んだのと反対に、例示の接続詞を見たら息を抜いて気軽に読み飛ばします。(会話と違って、戻って読めますからね)
文章は全体が均質的に価値を持っているわけではありません。
大事なところとそうでもないところでは、読む側も緊張とリラックスを使い分けましょう。
これは作文するときも同じです。記述問題への対処で扱います。
◇「理由」の接続語
「AなぜならB」「AというのもB」の場合はどうでしょうか?
Aが主張・意見でBが理由ですから、大事なのは前にあるAですね。
「例示」の接続語と同じように、ちょっと息を抜いて読む合図です。
このように、接続語に線を引きながら読むことで、
「ここからが大事だ」
「今までが大事だったんだ。ここからはそれほど大事でないな」
と緩急をつけて読むことができます。
接続語に関しては参考記事「会話に接続語を」もおすすめです。
③何度も出てくる言葉(キーワード)
何度も出てくる言葉というのも形式的に判断できますね。
説明文では筆者の主張は繰り返されます。
違う言葉で繰り返されることもあれば同じ言葉で繰り返されることもあります。
したがって何度も出てくる言葉(キーワード)は筆者の主張である可能性が高いので、線を引くと良いでしょう。
ただし、筆者の主張と反対の「負のキーワード」だったり、キーワード同士が反することもあるので、筆者の主張であるキーワードだけに的確に線を引くためには、文章の構造(特に対比)や内容など「実質的な理解」がどうしても必要になります。
筆者の主張ではない
参考記事:「2重の対比とキーワード」
今回の記事は主に読解が苦手な方を対象にしているので、とりあえず「何度も出てくる言葉」に線を引けば良しとしましょう!
④主張であることを直接示す表現
さらに、筆者の主張であることを直接示す表現も形式的に判断できますね
「~が大事」
「~が必要」
「~しなければならない」
「~すべき」
が代表的な表現です。これらは無条件に線を引いておきます。
アタリマエだろ!と思う親御さんが多いと思いますが
お子さんの問題用紙をチェックしてみて下さい。おそらく線を引いていないのでは?
(^_^;)
また「~なのではないか」という表現も疑問文の形ではありますが、冒頭にある場合以外のほとんどは筆者の主張ですから線を引いても良いでしょう。
ただ、前後の語句には気をつけましょう
「~が大切」の後に「とは思いません」とある場合は当然ダメですね(汗)
まとめ
結局、説明的文章において内容とは関係なく線を引けるのは次の4箇所です。
①段落内で一番抽象的な箇所
②接続語(特に逆接とまとめ)
③繰り返し使われる言葉(キーワード)
④主張であることの直接的表現「重要」など
どんなに国語が苦手でも、この4箇所には線がひけるはずですから問題集を解く際は監督してあげて下さい。
次回は、家庭の会話に接続語を導入してお子さんの国語力をあげようという話です。
(5)会話に接続語を
最後までお読みいただきありがとうございました!
ー(^o^)/~~
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