(通常の)月満ち欠けと月食で何が違うの?という小中学生の方へ。
この記事では、東大卒講師歴20年の図解講師「そうちゃ」が満ち欠け・月食の仕組みを解説します。
結論から言うと、「通常の満ち欠けでは『右から』欠け、月食では『左から』欠けます」が、記事全部を読むと満ち欠けの問題が得意になるきっかけをつかめるかも?!
目次(クリックでジャンプ)
月の満ち欠けの基本知識
●月の満ち欠けの原因は月の公転
●月の公転周期は27日
●月の満ち欠けの周期は29.5日
月は太陽に照らされない側が暗くなります。そして地球のまわりを(北極星方向から見て)反時計回りに公転しています。
その結果、地球から見ると満ち欠けしているように見えます(図1)
見た目を並べてみると「右から満ちて右から欠ける」のが分かります。
また月の公転周期は27日ですが、地球の公転との関係で満ち欠けの周期は29.5日になります。
こういう理屈で、通常の満ち欠けでは月は「右から」変化します。
「月は右から満ちて右から欠ける」
次は「月食」の仕組みです。
月食の基本知識
●月食=月が地球の影の中に入ること
●「太陽→地球→月」が一直線になった時に起こる
月が地球の影に入って見えなくなるのが月食です。(「食」は天体(太陽・月・星)が何かに隠れて見えなくなること。参考:ウィキペディア)
地球と月と太陽の三つが「太陽 地球 月」という位置関係になります。
北極星の方向から見て月は反時計回りに公転するので、私達が地球から観測すると地球の影に右から入ってくるので「左側から」暗くなっていきます(また図を見ると月食は満月の場合に起きることが分かります)。
ちなみに、暗い部分の形も通常の満ち欠けとは違います
こういう理屈で月食時の変化は「左から」起こります。
月食は左から暗くなり左から明るくなる
小まとめ
通常の満ち欠けと月食の違いを表にするとこうなります。
通常の満ち欠け | 月食 | |
満ち欠けの方向 | 右から 満ちて欠ける |
左から 欠けて満ちる |
暗い部分の形 | 月のシルエットに沿った形 (月自体の陰) |
シルエットに沿っていない (地球の影) |
満ち欠けと月食の違いは以上です!
(参考1)皆既月食と部分月食
影には2種類ある
さきほどの「月食の仕組み」のうち、地球の影をもう少し細かく観察するとこうなります
本影(ア)の中では全く当たらない
(地球の大気を通った赤い光が当たる)
影の濃さに2種類あるのが分かります。
アの部分は「本影」と言って太陽の光は(ほとんど)当たりませんが、イの部分は「半影」と言って太陽の光が当たっています。
「半?影?」なんて聞いたことないと思いますが、月からの景色を想像すると分かりやすいでしょう。
「本影」の中にいるときは太陽は全く見えませんが、「半影」の中にいるときは太陽が少し見えます。
この影の違いと月の位置によって月食には3つの種類があります。
Aが「半影月食」Bが「部分月食」Cが「皆既月食」です。
A:半影食
本影にまったく入らず半影だけに入った状態を「半影月食(はんえいげっしょく)」または「半影食」といいます
B:部分日食
月の一部が本影に入った状態を「部分月食(ぶぶんげっしょく)」と言います
C:皆既月食
完全に本影の中に入った状態を「皆既月食(かいきげっしょく)」と言います
皆既月食の月が赤く見える理由
本影の中では直射日光は全く当たらないのですが、実際に皆既月食を観測すると赤く見えます。
管理人「そうちゃ」が撮影
大気を通過して赤くなった太陽光線が
本影の中にいる月を照らしている
実は、地球の大気がレンズのように光を屈折させるのでほんの少しの太陽光線が月に届きます。そして大気を通った太陽光線は赤色だけが残って(夕焼けと同じ)月を赤く照らします。
(参考2)日食との違い
「日食」は地球から見て太陽が月で隠れる状態で、月食との違いは太陽・地球・月の位置関係です。
上で見たとおり月食では「太陽→地球→月」の順に並びますが
日食では「太陽→月→地球」の順に並びます。
したがって、それぞれの現象が起きるときの月の形も異なります。
月食は満月のときに、日食は新月のときに起きます。
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