国語の読解問題の解答と記述の方法まとめ

「易しいはずの記号問題を間違える…」「記述問題の書き方が分からない!」という小中学生の方は「とにかく問題を解いて慣れるしかない!」と思っていませんか?

たしかに問題を多く解くのも大切ですが、「正しい解き方」「正しい書き方」を理解して、その練習として問題を解かないと効果は十分に上がりません…

「『正しい』『解き方』なんてあるの?」という方のために、東大卒講師歴20年の図解講師「そうちゃ」が記号問題の選び方(消去法など)から記述問題の書き方(具体・抽象、対比、各種の「型」)まで、正しい解答テクニックを全て解説します。

読解技法の理解が無いと理解が難しいので「読解技法(カテゴリー)」も見るのをすすめます。

問題に答える準備

各設問を解くのに先行する作業です。

大問の最初にする作業

設問チェック

いきなり問題文を読まずに、まず設問を見ます。特に、次のような設問がある場合は要注意です。

読む前に抑えておく設問

❶次の文を途中に挿入しなさい

❷○~○の順番を正しく直しなさい

❸大きく○つに区切りなさい

❹間違っている箇所を直しなさい

また、設問のみで解けてしまう問題や設問が読解のヒントになる場合もあります。

設問メモ

設問を見たら本文にメモをして「何を読み取るのか」しっかり意識に入れます。

本文にする設問メモ

●傍線部に「理由」「具体化」「○文字」

●区切るパート数

実際の問題を使った作業の実例を見たい人は「問題文を読む前にする作業」を読んで下さい。

読みながら線を引く箇所

塾や学校では「大事なところに線を引け」と言われるかもしれませんが、それができるのは国語の成績が良い人だけ…

そこで文章の種類ごとに、線を引く場所を示します。

説明的文章

国語が得意な人は「重要」と思うところに線を引いても良いでしょう。

一方、国語が苦手な人はどこが「重要」か分からないので、「重要」以外の判断基準が必要になります。

以前「説明文で線を引くべき4つの表現」でお話したように、「そこに線を引いて読んでいるうちに文の構造が分かってくるところ」に線を引きましょう。具体的には以下の4つです。

説明文で線を引く箇所

①段落内で一番抽象的な箇所

②接続語(特に逆接とまとめ)

③繰り返し使われる言葉(キーワード)

④主張であることの直接的表現

詳しくは「説明文で線を引くべき4つの表現」を見て下さい。

物語的文章

物語文は読み取るべき情報に対応しているので、線を引く箇所は分かりやすいです。

物語文で線を引く箇所

❶登場人物の名前(初出時)を囲む

❷設定(職業,性格,親族友人関係等)に関する情報

❸人物の感情に関する情報(間接表現に注意)

❹人物の関係に関する情報

❺場面の区切り線

詳しくは「物語文で線を引くべき場所は?」を読んで下さい。

また、人物のセリフの上に発言者を示す文字を書くのも有効です。
前:
「そんな事誰が言っているの?」
「みんな言っているよ」
「みんなって誰なの?」

後:
母「そんな事誰が言っているの?」
弟「みんな言っているよ」
姉「みんなって誰なの?」

読みながらするメモ・まとめ・図

線を引いて要点・重要な箇所をつかんだら、上下の余白にそれをメモしたりまとめます。

説明文

説明文の場合はQBAab、特にA↔Bとa↔bの対比を表のような形にしておきます。これは記述を書く際の材料集めにもなっています。
((図))

物語文

物語文の場合は、初めの方では設定の情報(人物の関係や性格)を図にしておきます。これは先を読みすすめる際の助けにもなります(特に人名が紛らわしい・馴染みが無い場合)。

図1:人物関係の設定の例

点線の丸で集団をまとめている

物語の中盤以降は、場面の変化に伴う人物の感情や人物間の関係の変化を「 不安 → 安心 」のようにメモしていきます。私の授業では「表情を思い浮かべなさい「書きなさい」と指導しています。

((図))

詳しくは「物語文の読解~人物の感情の種類」「物語文の読解~人物間の関係の種類」を見て下さい。

このように準備を十分行った上で設問を解きます(読みながら問いてしまうものも多いですが)。

次は設問の解答技法です。

各種問題の解答技法

はじめに記述以外の形式の問題の解答技法をザックリと記します。

接続語(記号選択)

これは問題文を読みながら解いてしまう設問です。

音読が有効

国語が苦手でないなら、前後の文の関係を考えて正解を選び、空欄に選択肢を入れて前の文→接続詞→後の文と音読して確かます。

国語が苦手だったり問題が難しい/紛らわしい場合は、全部の選択肢を入れて前の文→接続詞→後の文と音読すると「なんとなく」分かることが多いですね(母国語だから)

選択肢をヒントに

選択肢がある場合はそれをヒントにします。

「逆接」のような分かりやすいものを全部の空欄に入れて(音読し)入るべき場所をきめてしましましょう。

そして、残ったものを音読で確かめたりしながらを選ぶとよいでしょう。

●指示語

直前から前にさかのぼって探す。

分かったらあてはめて意味が通るか音読して確かめる。

●内容一致・最適(記号選択)

二段階の消去法で選びます。

二段階消去法

①選択肢の「重要部分」を基準にして
明らかに間違っているものを「殺す」
→これで2つくらいに絞る

②生き残った選択肢を本文と比較参照して
より怪しい・不確実な方を「殺す」
→生き残った選択肢を正解にする

また「2つ選ぶ」「間違っているものを選ぶ」等条件に注意。

詳しくは「記号問題の選び方~二段階消去法」や「穴の大きさで判断対象を絞る」を見て下さい。

●空欄補充(記号選択)

いきなり選択肢を見るのはアウト!

まず空欄にどういう語句が入るのか、大雑把で良いので自分で予想して、それから記号を見ます。

迷った場合は先程の「消去法」で選びます

●空欄補充(抜き出し)

これも、まずどういう語句が入るのかを自分で予想してから探します。

説明文では同じグループに属するキーワード(または「言い換え表現」)を抜き出すことが多い。「説明文の読解技法」内の「キーワード」を見て下さい。

●空欄補充(字数指定あり)

「空欄に入る5文字の表現を文中から抜き出しなさい」のように字数の指定がある場合です。

読解力があったり文章の内容に親しみがあって読み取れているなら答えをパッと見つけられるかもしれませんが、そうでない場合はどうすれば良いでしょうか?

頭を切り替える

そもそも、字数指定がある空欄補充問題はノーヒントでは探すのが難しいことが多いのです。

したがって、内容から探すと時間がかかることが多いです。

そこで、答えをパッと見つけられない時は、頭を「読む考える」モードから「見る探す」モードに切り替えます。

文章の最初から頭の中で「5文字…5文字…」と唱えながら5文字の単語を探します。

この時、内容は考えていません。ただ5文字かどうかを見て、5文字なら鉛筆でうすく丸をつけます。その単語が正解かどうかも考えずに最後まで「探して」丸をつけていきます。

丸をつけ終わったら最初に戻り、一つづつ空欄に当てはめて意味が通るか考えて答えを決めます。

もし良さげなものが2つ以上あってどちらかいいのか判断がつかない場合は、傍線部分に近いものを選びましょう。

意味を答える

傍線部の熟語の意味を答える問題。これも、前後の文脈から意味を類推してから選択肢を検討する。

普段の学習・読書時に意味のわからない語句にあたったときも同様です。

参考記事「国語力がつく辞書の引き方

設問に「文中での意味」とある場合は、辞書的な意味とは異なるのが普通なので注意しましょう。

文を挿入する

最初に存否をチェックした問題で、割と良く出題されます。

 

順番を入れ替える

 

 

爽茶そうちゃ
記号問題の解き方は以上です。次は記述問題の書き方です。
以上に挙げたような記述以外の解答技法を養うのに、市販の問題集では「基本トレーニング読解(受験研究社)」がおすすめです。
(特徴)①細かいレベル別 ②文章題一問が短い ③記号問題がある
塾や学校の課題の合間に少しづつすすめることができますよ!

記述問題の書き方

答えの「型」

答えの形は決まっている

記述問題を書こうとして解答用紙に向かうと「何を書けばいいの?!」と途方にくれる生徒さんが多いです。

しかし実は書くことの半分以上は自然と決まっていて、自分で作り上げる必要はありません。というか自分で作ってはいけないのです。

勉強を離れて、普段の会話を想像して下さい。

「明日、どこ行こうか?」

こう聞かれて「ジェットコースター」とか「ラーメン」と答えるのは変ですね?「遊園地」とか「大宮のラーメン屋」と答えないと不自然です。

つまり「どこ」という質問は「場所」という答えの「型」を要求するので、自分で考える部分はほんのわずかです。

国語の記述も同じで、設問にきちんと答えようとすると答えの「型」がある程度決まってきます。

言い換えると「設問の型」で「答えの型」は自然と決まってしまうのです。

「答えの型」が決まればあとは簡単

例えば「Aは何ですか?Bとの違いが分かるように説明しなさい」という設問があったとします。

この設問に対する「答えの型」はどんな形になりますか?

一般的なのは「Bが~であるのに対して、Aは~である。」という形です。

この形が決まれば、もう半分は出来たようなものです♪

というのは「A」や「B」は問題文から写すだけなので、実際に考えるのは「~」と「…」の部分だけで、しかも読解技法で説明した「対比」技法を使えば、「A」「B」どちらか一方を決めればもう片方は自動的に決まってしまうことが多いのです。

例えば、Bが「熱い」ならAは「冷たい」。Bが「自然」ならAは「人工」。Bが「客観的」ならAは「主観的」など、対義語の知識があれば簡単です(だから対義語は重要なんですね。)

字数についても、実際の問題によって変わる「A、B、~、…」以外の部分で15文字も使っているので、これに「A、B、~、…」を加えればすぐに40字くらいに増やすことができます。40字なら「50字以内で書け」の答えには十分ですね。

このように、記述問題というのは「自由に考える」部分は意外と少なく、50字程度ならあっという間に埋まってしまうのです♪

もちろん「問題の型」に対する「答えの型」をすぐに連想できないといけないので、そのような言語生活を日頃から行っていないといけません
(こういうところが国語は勉強が難しいですね)。

答えの型の探し方

問題文をはなれて、自分の自然な反応に耳を傾ける。

まず、設問を抽象化して「設問の型」を考える。上の例なら「AとBはどう違うか?」「Bに比べてAはどんなか?」くらいは思いつくのではないのでしょうか?

つぎに、問題文と全く関係ない自分の好きな身近な話題について、今考えた「設問の型」の答えになる文章を口に出してみる。

上の例なら「塾の勉強は難しいけど、学校の勉強は簡単」「学校に比べて塾の勉強は難しい」が思いつけばよいでしょう。

この自分の文章からは、「Bは~だけど、Aは~」「Bに比べてAは~」という答えの型が見つかりますね!

答えの型が見つかったら問題文に戻って、型の「A」「B」に入る語句は何かを考え探し文章を書きます。
これで短いながら記述の中心部分は出来たことになります。

字数のコントロール

答えの中心部分ができたら、字数をコントロールします。
文章は、抽象的な中心部分と具体的な付属部分からできていることを思い出して下さい。
(分からない人は「説明文の読解公式」内の該当部分を見て下さい)

具体部分を増やす/減らす

ある程度の長さの文は短く端的な抽象表現(重要)長く詳細な具体表現(抽象を補強)からなっている。

生まれた時から人に可愛がられて育ったのでおとなしい

抽象部分は変えられないので、字数を増やしたり減らしたりするには具体部分を増やしたり減らしたりする

一文の字数を長くするためには具体表現を長くするのが簡単。

「記述が書けない」「字数が全然足りない」という生徒には(抽象的な)名詞修飾する具体表現を作る「抽象具体作文」のトレーニングが効果的です。

例えば、「」に具体表現を2種類以上付け加えていく。対比にできるとなお良い

(問題) 「犬に具体表現をつけた例を2つ作りなさい」

(解答例1)
おとなしい凶暴な

(解答例2)
生まれた時から人に可愛がられて育ったのでおとなしい
ずっと野生で敵と戦い喰らって生き抜いてきた凶暴な

このように具体表現をふくらませれば字数を増やすのは簡単になります。

上の例なら、「Bは~だけど、Aは~」「Bに比べてAは~」という中心部分に具体的な表現を付け足します。

「Bは…(具体)…で~(抽象)~だけど、Aは…(具体)…で~(抽象)~である。」「…(具体)…で~(抽象)~であるBに比べてAは…(具体)…で~(抽象)~である。」

これで字数は1.5倍から2倍になるでしょう。40字は余裕で超えるのではないでしょうか?

対比を使う

対比を使うと2倍に増やせる

「バナナが甘くて好きです(11字)」という記述に

内容が対比になる「ミカンは酸っぱくて嫌い」を付け加えれば

→「ミカンは酸っぱくて嫌いだが、バナナは甘いので好きです(26字)」

→「酸っぱいミカンと違い、バナナは甘いので好きです(23字)」

2倍の長さになりました。対比のつなげ方については「要素のつなげ方」を見て下さい

要素のつなげ方

 

 

具体化問題

「傍線部は何を意味しているのか」「傍線部は具体的にどのようなことか」というような記述問題

これは、傍線部の抽象的な表現を具体的な表現に変える(本文中の言葉を探す)問題です。

説明的文章では、抽象的で重要な主張を具体的な表現や例が補強する関係があります。(詳しくは「説明文の読解公式」内「具体と抽象」を見て下さい)

この抽象と具体の対応を考えながら(線などで結びながら)読んでいけば、傍線部(抽象的)と対応している表現(具体的)が分かります。

また、抽象的な主張は形を変えて繰り返され(キーワード、言い換え表現)、言い換え表現が少し具体的な場合は、これも具体的な内容と考えてもよいでしょう。(詳しくは「説明文の読解公式」内「主張の繰り返し」を見て下さい)

このように、正しく読んでいれば傍線部と同じグループに属する具体的表現や言い換え表現に線が引いてあったり結びつけてあるはずなので、あとは制限字数に合わせて使うものを選んで記述を作ればOKです。(迷った場合は、傍線部に近い表現を優先しましょう)

気持ちを書く

物語文で一番出される記述がこれです。

気持ちを書いた文は、喜怒哀楽などの端的な抽象表現具体的な様子や理由をしめす長い具体表現からできています。

(例)大事にしていた犬がいなくなってしまったので夜も眠れないくらい不安な気持ち

書く時には ❶喜怒哀楽→❷理由・様子 の順に考えます

気持ちを書く時は、まず抽象的な感情を考えます。

「抽象的な感情」とは単純な感情です。このサイトの「物語文の読解公式」では「喜(よろこび)怒(いかり)哀(かなしみ)怖(おそろしい)楽(安心)驚(おどろき)」としています。

抽象部分ができたら、その気持になった理由(「大事にしていた犬がいなくなってしまったので」)を考えて付け加えます。字数が足りないなら理由を膨らませたり(抽象具体作文の要領で「生まれたときからずっと一緒に育った兄弟同然の犬」と増やす)、具体的な様子(「夜も眠れないくらい」)を付け加えたりします。

詳しくは「[作成中]気持ち作文のトレーニング」を見て下さい。

 

変化を書く

物語文でよく出題されます。なぜなら物語文では「感情の変化」「関係の変化」を読み取るからです。「物語文の読解公式」を見て下さい。

といっても、難しく考えることはありません。ダイエットの宣伝等で「ビフォーアフター」をよく見ますよね?

身長155センチ体重60kgで彼氏もいなかった私が、爽ザップで3ヶ月間集中プログラムをこなしたら、体重45kgになって彼氏が5人もできました

この文は❶変化の前変化の原因変化の後の三つの要素からできています。(❶と❸が明らかな対比になっていると良い)

変化を聞かれたら、この三つの要素を材料集めしてつなげれば良いのです。

詳しくは「変化作文のトレーニング」を見て下さい。

爽茶そうちゃ
「解答技法のまとめ」は以上です。
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