「随筆文の読み方が分からない・知らない・苦手!」という中学受験生の方、それはあなたのせいではありません。
学校はもちろんですが(汗)、塾ですら「事実と意見を区別して、意見に注目しましょう」としか教えてくれません。教わっていないことができないのは当たり前ですよね?
でも、あなたは幸運です。東大卒講師歴20年の図解講師「そうちゃ」が随筆文の読み方「読解公式」を分かりやすくまとめました。
この公式を「憶えて」問題演習で「使う」練習をすれば、だんだん読み方が分かってきて、問題も解けるようになるでしょう。
参考記事「説明文の読解公式」「物語文の読解公式」を読むことをオススメします。
目次(クリックでジャンプ)
随筆文とは
使われている漢字を見ると「筆に従った文」。つまり手が動くままに書いた文。テキトーに書き散らかした文。
「広辞苑」には「見聞・経験・感想などを気の向くままに記した文章。漫筆。随想。エッセー」とあります。
「エッセー」「エッセイ」というのは聞いたことがあるのでは?
書店に行くかamazonを見れば、芸能人や有名人の「エッセイ」が並んでいます。
これらを購入するのは主に「ファン」なので、出版されるエッセイは有名人のものが多い。
ファンが「推し」のエッセイを購入するのは何故か、エッセイのどこを楽しむのか
随筆文で読み取ること
事実に対する筆者の意見感想(FA)
随筆文の読解の特徴です。
筆者の「意見」を読み取ります。
これは塾のテキストや参考書にも書いてある「事実と意見を区別する」のとほぼ同じ意味です。
この後の「」で詳述します。
筆者の意見と他の意見との対立(AB)
筆者の意見は一般的な常識的意見(「一般論」は違います)とは異なるのが普通で、そこに文章の面白さがあります。
この意見の対比(対立)を読み取ります。これは説明文の読解公式と似ています。
入試で聞かれるのも主にここです。筆者の意見と他の意見二種類の線を引くと良い。
例:桜の花が咲いた
普通の感想→わー綺麗だな
筆者の感想→死体の山ができるな
例:宝くじに当たった
普通の感想→わーラッキーだな
筆者の感想→これから大変だ…
この後「」で詳述します。
一般人の個性と筆者の個性の対比(B’A’)
同じ事象に対する感想が異なるのは、ものの感じ方や考え方(感性・価値観・世界観)が違うから
つまりの対比(対立)の背後には、感性や価値観の対立が隠れている。
この、普通の人と筆者の感性人格価値観世界観の対比をつかむのが随筆文読解の本質と言って良いでしょう。
大げさな言い方をしたが、有名人のエッセーやツイートがファンに読まれるのは筆者である有名人の人格キャラに触れたいから、というのは皆思い当たるでしょう
あれこそ随筆文読解の本質です
この人格キャラレベルの対比を踏まえた設問もたまに見かける。
例えば「問題文から、筆者はどのような人と考えられますか?」という問題。
さらに手紙のような問題文に続いて「あなたなら、どのような手紙を書きますか」は筆者をトレースするか、さらに対比で自分の人格を出すのか判断して書く
筆者の意見の中の小さな対比(ab)
論理的な文章を書ける作者なら、自分の意見や感想を書くのに、対比を用いたりして分かりやすく書くことがあります。
これは説明文のabと同じで、入試でもよく聞かれます。
二種類の線を引くと良い。
小まとめ
➀事実/事物に対する筆者の意見/感想(F→A)
②一般人の意見/感想と筆者のそれの対比(B⇔A)
➁’一般人の個性と筆者のそれの対比(B’⇔A’)
➂筆者の意見の中の小さな対比(a⇔b)
随筆文の読解
二種類の読解法を併用します。
事実/事物の読み取りは物語文的に具体的描写を味わう。
意見/感想の読み取りは説明文的に抽象化して構造を視る。
テストでは主に対比(A⇔Bかa⇔b)が聞かれるので、二種類の線を引くと良い。
説明文の読解公式、物語文の読解公式をまず理解して下さい。
(2021.8.11作成中)