会話に接続語を取り入れて読解力アップ!家庭で上げる国語力(5)

こんにちは!図解講師の爽茶(そうちゃ)です。

前回「説明文で線を引く4つの表現」では、説明的文章において国語が苦手な生徒でも線が引ける箇所すなわち外見だけで重要と分かる4つの箇所をまとめました。

説明文で線を引く箇所

①段落内で一番抽象的な箇所
②接続語(特に逆接とまとめ)
③繰り返し使われる言葉(キーワード)
④直接的表現「重要」など

今回は、会話に接続語を使ってあなたのお子さんの国語力を高めてもらおうという記事です。

「丁寧な言葉づかい」
≠「きちんと話す」

学校はもちろん、家庭内でも「きちんと話す」事は非常に大切です。

実際、言いづらいのですが、国語の成績が悪いお子さんの大半は「きちんとした話し方」をしていません。

では、ここで言う「きちんと」って具体的にはどういう意味だと思いますか

もしかしたら、「丁寧な」言葉遣いをすることや
敬語を正しく使えることが「きちんとした」話し方だと思っていませんか?

確かに、そういう「丁寧な」話し方をする事は大切ですし私はそういうお子さんは大好きです
o(・∀・)o

しかし、ここで問題にしている「きちんと」は、「丁寧さ」というよりも「機能的」とか「体系的」すなわち
文頭と文中・文末の表現が正確に対応していて文「全体」の形が整っているという意味です。

例えば、「明日…」で始まる文は未来の出来事を記述するわけですから文末が「…する」よりも「…するつもり」「…する予定」の方が未来の出来事にふさわしく、文全体として整っていると考えます

このような文頭と文末が一致した文を話すためには、文末近くを喋っているときも文頭の表現が頭に残っていないとダメですね。

つまり、常に文全体を意識して話ができている。これが国語力がある人の話の特徴です。

今日のテーマの接続語の場合も、単に接続語を使うのではなく、文頭にある接続語と文中・文末の表現が正確に対応するように文全体の形を整えるのが大切です。

では、接続語別にみていきましょう。

理由の接続語

文全体の形

理由の接続語として挙げられる「何故なら」「というのは」は会話で使うのは少し堅苦しいですね。
(^_^;)

家庭の会話なら「何故って」「だって」で十分でしょうね。

また理由の接続語の文末は「だから」「なので」ですが、これも堅苦しい時は「なんで」「なんだもん」で良いでしょう。

大事なのは「全体の統一感」で「丁寧さ」ではありませんので。

結局、理由の文全体の形としては

「だって…だから。」
「だって…なんで。」
「だって…なんだもん。」

がきちんと整った形になります。

ですから、「だって…(言い切り)」という形は「…だから♪」と優しく!付け加えてあげることが必要です。

ウザがられても付け加えてあげているうちに
お子さんの心の中では「…だから」という言葉が響くようになるでしょう

「だって…だし」を単独の理由で使うのもあまり良くないので「だから」と直してあげるほうが良いですが
それを逆手にとって複数の理由に繋げられるのは良いかもしれません。

「理由」は一緒に探してあげる

理由があっても言葉として全然出てこないお子さんもいると思います。

「嫌い」「やりたい」「行きたくない」と言うだけ。

そういう場合是非や好悪の判断に理由を挙げさせる。

ただ、「何で?」「どうして?」というのはお子さんにとっては「ダメでしょ!」と言われているように感じることが多いので、

まず「ああ、~なんだ」「へ~そうなの。分かった」という軽い感じでお子さんの感情や判断を認めてあげて

それに続けて、「どうして?」「なんで~なのかなぁ?」と問いかけてみるのが良いでしょう。

「何となく」「普通に」という答えが帰ってくるかもしれませんが(汗)

それ以外の答えを「一緒に」探してあげるのがお子さんへの贈り物になります。

例えば、「だって、いつもは●を食べてるから、今日は違うものを食べたくなったんだもん」とか

「最近、クラスの友達が◎の話をしているので、自分もやってみたくなったから」とか

内容は他愛ないもので構いません!!

それをきちんと言語化する習慣づけをすることが大切なんです。

お子さんが家族以外の他人から、判断の理由を聞かれて「何となく」「普通に」としか答えられないなんて可哀想ですよね?

最後に「 が なのは、…だからだね」という具合に
まとめてあげれば

そのうち、お子さんが自分で喋れるようになってきます(内部化)

複数の理由を挙げる

理由がいくつかある時もあるでしょう。

複数の理由をあげる文の形は

「第一に…、第二に…、第三に…だからである」

ですが、

こんな会話する人はいませんね。
(^_^;)

話し言葉では、「だって、まず…でしょ?、それから…だし、あとは…だから」のような形が普通でしょうか?

さきほど、理由を一緒に探してあげる
という話をしましたが、いつも同じ理由になるような場合は、2つ目、3つ目の理由を探してあげればよいのではないでしょうか?

1つ目の理由が見つかったら

「それだけじゃないでしょ?」
「他にもない?」

等と水を向けてあげましょう。

そして最後にはまとめてあげます。

「 が な理由は、まず…だし、それから…だし、あとは…だからだね」

お子さんが「しつこい!」「ウザイ!」
という態度のときは、独り言のようにまとめてあげましょう
(^_^;)

お子さんの耳には届いているし、絶対、将来の良い思い出になりますよ

逆接の接続語

逆接の接続詞
「だが」「しかし」「けれども」
会話では「でも」

これらを下手に会話で使うと大変ですね
(>_<)

口を聞くたびに喧嘩にならないように、使い方に注意が必要です。

ポジティブな話に対して…

一番良くないのは、お子さんが明るい調子で話しているのに水を差すパターンです

「今日のテスト、まあまあ出来た。70点くらい」
「でも、友達の●君はいつも90点じゃないの!」

これですねw絶対やめましょう。

単に親御さんが嫌われるだけでなく、お子さんが他のお子さんに対してそういう言葉遣いをするようになってしまいます!(内部化)

やはり、まずは相手(の感情)を認めてあげるのが大切です。

十分認めてあげた上で相手の奮起を促すような懐の深い会話をしてあげたいですね(自省も兼ねて)

そういう良い会話をお手軽に出来るのが、

ご存知「確かに→しかし」パターンです

まず、相手を認めて…
「今日のテスト、まあまあ出来た。70点くらい」
「確かに、まあまあ出来たね。この間はひどかったらずいぶん点数も上がったし」
「確かに、まあまあ出来たね。この科目は結構得意だもんね。」

そこから攻めるw
「でも、次はもっと点数上げたいよね?ちゃんと解き直しして提出してね」
「でも、この科目なら90点は取れるんじゃないの?気を抜かずに頑張ろうね」

これなら、お子さんも「うん。頑張る」と答えてくれるんじゃないでしょうか?

ネガティブな話に対して

逆に、お子さんが否定的なニュアンスの話をした場合は積極的に「でも」を使ってあげましょう!

「今日のテスト、あまり出来なかった…」
「でも、間違えたところを復習して本番で生かせるんだから、良かったじゃない」
よくあるパターンですが(汗)

このような「ネガ→ポジ」の会話をしてあげれば、心の中に「ネガ→ポジ」の思考回路が育ちますから

お子さんが不運・不遇に当たったときも心の中で「でも、次は良いことがあるよ」という言葉が聞こえるようになってメンタルの強い子に育つと思いますよ!

実は、

逆接の接続語には、もう一つ「対比」の機能があるのですが、話が長くなりすぎるので、それは「対比」の回に譲ります

まとめの接続語を使う

これは、以前お話ししましたね。

とりとめなく話すようなお子さんの話をまとめてあげることで「具体から抽象へ」という会話の流れを
お子さんの頭の中に「内部化」してあげる。

最初は、親御さんがまとめてあげると良いでしょう。

「要するに…ということだよね」
「つまり…ということだね」

そういう会話が習慣になってくれば、お子さんの中に具体→抽象の流れが少しづつ内部化されてくるので

親御さんが「要するに…」と水を向ければ抽象的なまとめが返ってくる日も遠くないかもしれません。

例示の接続語を使う

これも以前お話ししました。

口数が少ないようなお子さんの話を広げてあげることで「抽象→具体」という流れをお子さんの頭の中に作る会話です。

「例えば…」「特に…」を文頭にあるいは「…くらいだ」を文末に持ってきて、

文中の表現は前の文の要素を具体的にしたものになるのが正しい形です。

「僕はヒーローの中では…が一番好きだ」
「…のセリフは全部!一言の間違いも無く言えるくらいだ

理由の接続語が文頭の場合の「…だからだ」とごっちゃにならないように注意しましょう

あとがき

いかがでしたでしょうか?お子様との会話で接続語を使って整った文章を話す練習をしてみましょう。

これで、説明的文章に関する形式的な判断についての説明が一通り終わりました。

国語が苦手な生徒に文章題を宿題に出すときは

まず、これらの箇所に線を引かせそれから設問に答えるとカンの良い子なら要点の掴み方を発見することも多いです。

次回「説明的文章の構造(説明文と論説文の区別って?)」からはいよいよ説明的文章の「実質的な」理解の話に入ります。

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最後までお読みいただき
ありがとうございました
また来てくださいね!
ー(^o^)/~~

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