抽象/具体で文の急所を見抜く!国語力を上げる勉強法(12)

◇文章読解

「抽象的とか具体的とか聞くけど、どういう意味なの?」「それって国語の読解に関係するの?」という方へ。この記事は東大卒講師歴20年の管理人が「抽象/具体の意味」「抽象/具体と読解力の関係」を解説します。記事を読み終える頃には読解力の要点が分かっているでしょう。

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読解と抽象/具体

こんにちは!図解講師の爽茶の家庭で国語力アップシリーズです。

連載初期に「抽象/具体」の話を致しました。

読解とは「内容」を理解することではなく「要点がどこか」判別する作業であること(内容の理解はその関連分野の前提知識・予備知識がないと無理)。

そして「要点」は文章の中でも抽象的な部分なので、抽象/具体の識別がポイントであること。そういう話でした。

→詳しくはこちら

(2)読解って何を読み取るの?

その後は、説明的文章の構造(QBAab)の話になったので、抽象/具体の話から離れていました。

実を言うと「筆者の主張の読み取り」と「抽象具体の識別」は読解公式の第一章なので、家庭教師や塾の授業では最初にそこをじっくり訓練しているのですが…連載の流れ(汗)で後回しになっていました。

前回の記事で、説明的文章の大きな構造の説明が終わったので、今回から数回に渡って「抽象/具体」の話を再開します。

抽象と具体って?

そもそもの意味は?

ちなみに辞書(広辞苑)を引くと、こう書いてあります。「『抽象的』=抽象して事物の一般性をとらえるさま。『抽象』=事物・表象のある側面・性質を抜き離して把握する心的操作」「『具体的』=実体的・個別的なさま。『具体』=個体が特殊な形態・性質を具有すること」

??( ³ω³ )??
よく分かりませんねw

ここでは、
「具体的」=特徴を細かい数値や表現で述べていること
「抽象的」=具体の反対、つまり特徴を大雑把にぼんやりと述べていること
とでも考えておきましょう。

似た言葉でいうと、具体=個別=特殊、抽象=一般=普遍 というイメージで良いと思います。

例その1
「大宮駅の立ち食いそば『安曇そば』の季節限定のカニの天ぷらいりのそば」は具体的で
「そば」は抽象的。

例その2
「生物」は抽象的で「柴犬」は具体的

例を2つ挙げた理由は、読み進むと分かるでしょう。

説明的文章では、重要な事は抽象的

以前、説明的文章の構造を説明しました。
①Q→A(問題提起とそれに対する筆者の主張)
②A↔B(筆者の主張と反対意見の対立(大きな対比))
③a↔b(筆者の主張内での説明上の対比(小さな対比))

→参考記事

説明的文章の構造

説明的文章の構造図(QA,AB,ab)

説明的文章で一番大きな構造(骨組み)は、テーマ(問題提起:Q)に対する筆者の主張(A)であり、ほとんどの場合、このQやAは抽象的な表現になっています。

主張が抽象的になるのは、その方が多くの人に届くからです。
「そばは隠れた健康食品です。毎日食べましょう」という主張があるとします。
この「そば」の部分を「大宮駅の立ち食いそば『安曇そば』の季節限定のカニの天ぷらいりのそば」に変えたらどうなるでしょうか?
大宮駅を知らない人には「なにそれ?」と思って読むのをやめてしまいますし、大宮駅を知っていても遠くに住んでいる人は「そんな所まで食いに行けないよ」と思って本を閉じてしまいます。
服の分類でSMLとありますが、もし「身長175~180cm体重60kg~65kg用」なんていう服があっても対象が狭すぎて売れませんよねwそれと同じです。

また、このA(筆者の意見)と対比(対立)関係にあるB(反対意見=常識=通説)も同じ様に抽象的です。例えばAが「そばは健康食品で毎日食べるべき」なら、Bは「そばは糖質過多なので時々食べるのがちょうど良い」という感じでしょうか。

小さな対比abは、QABに比べると具体的ですが、文章全体の中では抽象的です。

このように、説明的文章の構造を作っている重要部分は抽象的表現です。

したがって、説明的文章の構造(要点)をつかむためには、まず抽象的な部分を識別して、そこに集中する必要があります。

では、どうやって抽象と具体を区別すれば良いでしょうか?

抽象と具体の区別

抽象と具体の区別というか判断基準は2つあります

簡単な順に並べると、1つ目は「表現レベル」での判断で、もう一つが「語句レベル」での判断です。順番に説明していきます。

表現レベルでの抽象/具体判断

先程、抽象具体の例を2つ挙げました。最初の例はこうです。

抽象:「そば」
具体:「大宮駅の立ち食いそば『安曇そば』の季節限定のカニの天ぷらいりのそば」

すでにこの段階で分かる人も多いと思いますが、ダメ押しで色を付けてみます。
抽象:「そば
具体:「大宮駅の立ち食いそば屋『安曇そば』の季節限定のカニの天ぷらいりのそば

これで一目瞭然ですね。
そうです。抽象表現は短く簡潔であるのに対して、具体表現はクドクドと長くなっています。

このように
抽象/具体の判断その1は「長く細かい表現は具体的で、短く簡潔な表現は抽象的」になります。

ではなぜ長くなるのでしょうか…
具体抽象の意味をもう一度書きます。

「具体的」=特徴を細かい数値や表現で述べていること
「抽象的」=具体の反対、つまり特徴を大雑把にぼんやりと述べていること

特徴を細かい数値や表現で述べるので、その分長くなるのですね。

さらに
日本語の特徴で修飾表現は前に置かれる(英語では後ろに置かれますね)ので、ズラズラと長い具体的な表現の後に抽象的な表現がチョコンと続くことになります。

大事な部分(抽象)は短く、大事でない部分(具体)が長いので、
説明的文章は大部分がさほど大切でない「ぜい肉」で重要な「筋骨」はほんのわずか、ということになります。
そして、その筋骨がどのような仕組みになっているか(文章の構造QBAab)を考えるのが「読解」なのです。

あとがき

次回は、抽象/具体のトレーニングその1です。

→次の記事

(15)抽象/具体作文でボリューム感覚養成

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