国語の成績アップは何故難しいのか?家庭で上げる国語力(1)

はじめまして!

塾講師・家庭教師歴20年の爽新家茶、略して「爽茶(そうちゃ)」です!
ー(^o^)/~~

念願だった国語の記事を始めます♪全30回?くらいの長期シリーズになる予定です。

「国語の成績が安定しない」とお嘆きのお父様お母様へのエールになれば幸いです(2018.10.6)

国語の悩みは深刻

さて、私は中学受験については全科目指導しております(出身が文系で、仕事では理系科目が多かったため)。

中でも指導の依頼が量的に多いのは「算数」ですが、依頼の質的な深刻さでは「国語」の方が断然上です。

算数の依頼の場合、生徒さん自身が算数嫌いで勉強自体をあまりしていないという事が多いのに対して

国語の場合は勉強はきちんとしていて他の科目はまあまあ出来る。そして漢字や語句も書ける。なのに、国語の読解問題の成績だけが安定しない、ということが珍しくありません。

国語の成績は上がりにくい

また、算数の場合は弱点が特定できて平均以上の塾や家庭教師につけば苦手箇所の克服は十分可能ですが

国語の場合、弱点が分かって塾や家庭教師についても成績が上がりにくい傾向があります。

国語の難しさ

では、何故、国語は他の科目に比べて成績が上がりにくいのか?

理由は主に2つあると思います。なんだと思いますか?
Hint:1つ目は教える側の問題です。

1つ目の理由を表示

◆国語は教えにくい

まず1つ目は教える側の問題です。

算数の場合、受験算数は確かに難しいのですが教える内容(公式や解法)・カリキュラムはハッキリしています

ですから、摸試の成績などを分析すれば何を教えるべきかハッキリするので真面目な講師なら平均以上の対応はできるのです

それに対して、国語の場合は教える内容やカリキュラムが明確になっていません

もちろんテキストに「段落ごとの関係を読み取れ」とか「筆者の言いたいことをつかめ」とか書いてはありますが、算数のように抽象的な「公式」が明示されていることは非常に少ないです。(僅かな例は大学受験の「アクセス」シリーズくらい?)

ですので、塾講師や家庭教師も、国語については体系的な指導がしづらく

「とにかく沢山解いて」というような大量の宿題をこなさせる指導や「ここにこう書いてあるからこの答えになるんだよ」というような個別的具体的な問題の答え合わせの指導になる傾向があります。

私自身も国語を教え始めて5年くらいはそのような指導しか出来ませんでした(自分は国語が一番得意なので…読めば分かるでしょ?と思っていました)が
m(_ _)m

開成や東大の受験生を指導するうちに国語の「解法の体系」を整理しはじめて10年目くらいにようやく「解法と教授の体系」が出来上がりました。

それをこのシリーズ記事で提唱していくつもりです。

このように、国語=塾・家庭教師で教えにくい科目の筆頭なのです。

では、2つ目の理由は何だと思いますか?
hint:今度は◯◯側の問題です

2つ目の理由を表示

◆国語は実力の幅が大きい

成績が上がりにくい理由のその2は生徒さん側の問題で、国語が、他のどの科目よりも「実力の幅」が大きいからです。

例えば、開成中の国語の入試問題はなんと!東大の理系の!現代文の問題よりもある意味難しいのです。

つまり小学生でもトップレベルの子は東大生並みの国語力があるとも言えます。

成績の悪い小6の生徒さんとは単純な年齢でも6歳分の差。個人的な実感としては10歳以上の!差があります
(^_^;)

一方、算数の場合は開成の算数で合格点をとれる小学生でも、大学入試はおろか、高校入試で合格点を取るのも難しいでしょう(方程式のような代数や平方根を知らないので)

つまり算数の場合、実力差は2~3年分の差「しか」ない、と言えるかもしれません。

では、なぜ、12歳の時点でこんなに実力差がつくと思いますか?

そのワケを表示

それは、国語が思考活動の基盤だからですね。

日常生活で数字を扱わないことはあるかもしれませんが、言葉(国語)を使わないことは有りえません。

他人と会話しなくても

「腹へったなぁ~」
「トイレ行きたい」

など脳が活動している限り、つまり夢の中でも!ほぼ24時間ずっと国語を使っているのです。
(夢の中で英語・犬語・猫語を話している人はいませんよね)

もちろん算数も日常生活で使ってはいます。

ただ、国語のように24時間使うことはないでしょう

このように24時間使う国語の技能の巧拙に大きな個人差がつくのは簡単に想像できますね

というわけで、国語の場合は偏差値の見た目以上に実力の差が大きいのでちょっとやそっとの努力では差が縮まらないのです

じゃあ、どうすればいいの?
(´;ω;`)ウゥッ

どうすれば国語力が伸びるの?

以下に述べることは、標準的な教材を使用して最低限の学習時間をとっていることが前提です。また「○○中学で合格点を取る」等の個別的な対策ではありません

上で述べた成績が上がらない原因2つに対応させて、挙げていきましょう

良い指導者につく

1つ目の方法は、良い指導者について「読解の体系」「解答・記述の体系」を学ぶことです。

ただこれは難しいかもしれません。塾や家庭教師の選択肢は少ないですからね。

「熱意に欠ける」「基本的な言葉遣いや学力が怪しい」というようなハズレの先生でなければ良しとしましょう!

「家庭学習で、そのような体系を身につけられる問題集や参考書はないか?」と尋ねられると正直厳しいですが、
オススメの問題集はいくつかありますので、別記事で紹介したいと思います。

→check!

参考記事:「オススメの参考書・問題集」

家庭の言語環境を整える

次に2つ目の方法です。ここで、やっと本題に入れますw

それが、家庭の言語環境を整えることです。言語環境というか、会話ですね

先程見たように、国語の実力差は、24時間の思考活動で作られます。

そして学校や塾で国語を勉強する時間は一週間につき数時間ずつしかありません

ということは、国語の実力差は学校や塾以外の時間でつくのです。

もちろん友達との会話など家庭外での言語環境もありますが

幼少時からの親子の会話は積もり積もって凄い量になりますので

やはり家庭での言語環境が一番影響力があると思います。

また、学校や塾の先生はコロコロ変わりますが、お父さんお母さんは(ほとんど)変わりませんね。

つまり家庭の言語環境では一貫した教育が可能、ということです。

「家庭」「言語」「教育」というと大げさな感じもしますが…そんな事はありません

「内部化」と言って、繰り返し言われた事は、そのうち勝手に心の中で繰り返されるようになります。

みなさんも小さい頃からご両親にしつこく言われたこと(大抵の場合、小言でしょうけど)が大人になった今でも聞こえることがありませんか?

それが、皆さんが育った家庭の言語環境での教育成果です。

同じことが、あなたのお子さんにも起きると考えて下さい。

国語は親子に最後まで残る科目

言語環境を整えるのは言うまでなく、できるだけ早い方が良いでしょう。このシリーズでは小学校低学年くらいをイメージして行くつもりです。

こう言うと、「うちの子はもう小6だから…」と思う方もいるかもしれません

でも、諦めることはありませんよ!

受験の算数等ですと、小5あたりで難しくなって親御さんの手におえないかもしれませんが

国語、特に物語文は親御さんの方が内容は読み取れるはずです。設問に答えられるかは置いといて…
(^_^;)

ですから小学校高学年になっても一緒に国語の勉強をしてあげて下さい。

→check!

参考記事:「親が一緒にすると効果的な国語学習」

また、「勉强」までいかなくても、家庭内での「会話」を国語学習の一環と考えれば中学生になっても高校生になっても家で一緒に国語の勉強を出来ることになりますよね?

つまり、国語は親子の間で一番最後まで残される科目と言って良いでしょう

親子の国語は中学受験で終わりではなく、その後、大学に入るまで続く、そう考えると全然手遅れではありませんよね?

あとがき

 

第一回は国語の特徴と家庭の言語環境の大切さを書かせていただきました。

次回は「読解力」についてです。「読解力」を「内容を理解する力」と思っている人がほとんどですが、違いますよ!

→次の記事

(2)何を「読解」するの?

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